卯月歌会【令和二年】(中止)

今年の桜は開花後の雨が少なかったせいか、常より見頃も長かったように思いますが、花見さえも規制され本当につまらない春となりました。
しかしこれは人類への警告!人は古くより多くの病に苦しめられてきましたが、仕事や学校、日々の営みさえ不自由を強いるこのウイルスをこれ程強く育てたのは間違いなく文明人ですよね!!安全で美しい自然とより永く共存できるよう人はもっと謙虚にならねば・・・。
外出もままならないこんな時こそ、青虹の歌友の皆様のお歌をじっくりと鑑賞させていただこうと思います。

「新青虹」四月号より
・みづからを照らすよりなき枯山の冬の花火を儚みにけり

・闇照すことは無きままみづからを美しくせり冬の花火は

・能面のかかれる如くゆるやかに冬の花火の散るを見むとす

上記のお歌は、いつもご指導をいただく近畿支社の水本同人の「枯山花火」よりの三首です。本来なら華やかな花火の裏の一面を見るようで、今に重ね合わせ、感慨深く読ませて頂きました。

その他誌上より
・しらくもの翳に山道のぼりきて冬枝に鳥の口赤くせり(金丸満智子)

・ふさぎ込む心も間なく忘るるは老の恵みか七草かをる(井口慎子)

・どんよりと曇れる朝の山茶花の色冴えぬまま散りゆきにける(山本浩子)

・朝まだき枯葦にゐる水鳥は飛び立つ一羽の後につづけり(中川りゅう)

・いく度も十二支数へふるさとを遠く子年の春を迎ふる(中川寿子)

・嬉々としてかるた取らむと老女らは厚着セーター腕まくりせり(児島靖子)

・冬枯の広き田んぼに子ら遊ぶ富士雪嶺に見守られつつ(後藤まゆみ)

・海上の波の髙さもひとのみに懐ふかく寒の日出でむ(中世古悦子)

 

五月の支部歌会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため未定です。

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