新年歌会【令和二年】

令和2年は穏やかな初日にゆったりとした心持ちで新年を迎え、今年こそは心を入れ替えてと気持ちを新たにしたものの、あっという間にひと月が雑事に忙殺されてしまいました。
そんな中で支部会の皆様との歌の会は、ほんの3時間足らずですが、愉しく豊かな時の一コマとして記憶に蓄積されます。歌暦長く青虹を牽引されている大先輩のひと言ひと言は貴重で、月々の作歌に四苦八苦の私は歌の道に入られたばかりの方々の疑問に応えられる術もなく、己の未熟を再確認させられますが、それが又新たな一歩への糧となっています。

・野の道も秋然りにけり我はかく老いて自在の歌の道あり(金丸満智子)

青虹誌巻頭の常連として活躍される大先輩の1月号のお歌です。いつかこの様な心境に至りますことを祈りつつ、ご指導を仰いでいきたいと思います。

1月号誌上より

・台風の近づくそらへ拓榴のび葉隠れに実の三つ四つ朱き(井口慎子)

・収容所の跡と伝はる廃屋にあざみに似たる夏の草生ふ(山本浩子)

・唐衣を召されて歩むお后の桧扇持つ手もかたく揺るがず(中川りゅう)

・早ばやと祭りの前に新米を食める幸せ手を合はすなり(中川寿子)

・箸すすむ婿の横顔ゆるみけり食卓の下われ手をたたき(後藤まゆみ)

・幾たびの手術乗りこえ左手に書く友の文野分け問ひこし(児島靖子)

・道八の猫の手焙り主とて額づかせむやゆめゆめ触れず(中世古悦子)

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