新緑歌会[令和五年]

きらきらと若葉のまぶしい季節となりました。

我が家のまわりの田んぼには一斉に水が引かれ、あっという間に早苗が植えられました。初夏の夕べの風に、そのしなやかな新葉をなびかせています。幾多の雨風をしのぎ3ヶ月あまり、今年もまた、黄金色のふっくらとした穂の実るのを想像するだけでも、自ずと希望の溢れ出てくる大好きな光景です!

4月の支社歌会は、都合にて第4木曜日となりました。前日の雨は嘘のように晴れ上がり、終日一片の雲も見えず、一足早い五月晴れの好日となりました。

以下、それぞれの自由詠一首と水本編集長の添削歌です。

・応為とてオーイと呼ばふ北斎の父娘の画室たのしからむや(青山玲子)
・『応為』 以下は佳 (名前と理解でいない方の為にカッコをつける)

・孫娘はじめて食みし鮪なりピンクの味すと瞳を輝かす(後藤まゆみ)
(今ままで見たことのない独特の表現で佳)

・街路樹の根元に咲ける母子草ビロード状の綿毛におほわれ(中村智恵子)
・     同上              をおほふ

・砂浜へいかに根下さむ浜大根しほ風を背にそと抜きみたり(中世古悦子)

・春耕の機械のおともおだやかに季節のなかの風物と見る(井口慎子)
・春耕の機械のおともきこえくる日長となるも素足まだ冷ゆ

・皇后を拝せし記念の梅子らの写真に伝はる気負ひいぢらし(中城さとこ)
・皇后を拝せし記念の梅子らの写真に若き気負ひ見えつつ

・卜定に選られし斎王十あまり鈴鹿の関越えからくありけむ(中川りゅう)
・卜定に選られし斎王十あまりからくも鈴鹿の関や越えけむ

・つやつやと赤みを帯びてうぶ子の如やはらかき肌指に触れたり(山本浩子)
・つやつやと赤みを帯びてうぶ子めく若葉の肌を指に触れたり

・濃紺のブレザー捨てし押入れのゆるみに透る鳥の声あり(金丸満智子)
・濃紺のブレザーまだ着ぬこの春の窓にすずしき鳥の声あり

・落花みな堰かるる佐保の川淵に濃くなる白さ夜目にも冴えむ(水本協一)

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