3ヶ月振りの歌会は、支部のメンバーおひとりも欠けることなく、お元気にお集まりいただきました。この様な非常時に於ても月々歌を詠み、共に鑑賞する仲間がいる事への喜びが、より会を盛り上げた様です。
前半はいつもの様に、歌の調子を勉強するため誌上の川口代表や水本編集長、支部の先輩方のお歌を順に声に出して読み上げ、疑問や感想などそれぞれに意見交換しました。徐々に発言も活発になってきています。
ひと息入れて、後半は新しい方の詠草が主役です。よりふさわしい言葉を探しながら、納得の一首を作り上げていく過程は、かなり熱が入り充実の時です。たくさんの歌を詠みまた作ることが歌の上達への最短の道なのです。
<6月号誌上より>
・梅ちりし後のさみしさ境内に禰宜の子の毬ひとつありけり(金丸満智子)
・買物の母待つ少女春の陽にまわりスカートふくらませたり(井口慎子)
・非常時ののどけさありて茶の稽古続くるよしと思ふ春なり(山本浩子)
・売地とふ看板立ちて三歳経る葎の中に欠け茶碗見ゆ(中川りゅう)
・ああ酸つぱ高枝に残る橙を寒のもどりに白湯へしぼれる(中川寿子)
・早春の畦道ひとり歩み来て広がる田畑に糸遊のみゆ(児島靖子)
・洗濯を干し終へ雀餌を食める庭草もゆる朝にやすらふ(後藤まゆみ)
・鶯のきよらけき音に渡りけむ春を生れにしもの覚ましつつ(中世古悦子)
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