弥生歌会

三月号の巻頭には川口学代表のお歌「声を失ふ」十首が載せられています。事故に遭われた時の様子や療養生活のつらさ、もどかしさ、その中でも看護士さんの顔立ち、声がやさしくとても癒されたことなど、お歌から多くのことが想像でき、青虹社の皆様もひと安心されたことと思います。改めて、歌には心情をより深く伝える力がある事を再確認しました。

今月の歌会も順を追ってそれぞれに発見や疑問など活発な意見交換があり、有意義な時間を過ごしました。では支部の方々の秀歌を一首ずつご紹介します。

・巨杉の幹にさす陽の色すらも平家の悲史にとけてはるけし(金丸満智子)

・かろやかに紅のもみぢ葉散らひくる庭に小春の光きらめく(井口慎子)

・ウィーンフィルの再放送の六日過ぎ日頃の暮らし始めむと思ふ(山本浩子)

・宿題を終へ兼ぬる子を慰むる下弦の月も傾きにつつ(中川りゅう)

・魔除けとてさす柊の葉の先を風花ときに掠めては消ゆ(中世古悦子)

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