如月歌会[令和五年]

寒いながらも立春を迎えると、日差しが眩しく春が近いことを実感致します。昨年8月より、義父の介護もあって滞っておりましたホームページの更新を、また今月より再開させていただきます。

それにしても1月下旬の大寒波には驚かされました!メディアも前もってうるさく警告していましたが、鈴鹿とはいえ私の住いは、伊勢湾沿いでわりに穏やかなので、いつものようにさほど気に留めずに居りましたら、生涯あまり覚えのない大雪と冷えが続き、水道管が氷り給湯器が機能せず、不自由な2日間を強いられました。ですが、日本はもとより、世界中のあちこちで、生きる事さえも脅かされる日々をお過ごしの方々を思い、この程度でと、不満を口にする自分を戒めました。

今月9日の近畿支社会は、穏やかな好天に恵まれ、水本先生のご指導のもと、様々に意見が飛び交い密度の濃い歌会となりました。以下、支社会友の自由詠と水本先生の添削を列挙致します。

・一丁のとうふ地酒の熱燗に米朝落語ほどもよきなり(金丸満智子)
・一丁のとうふと地酒の熱燗の米朝落語ほどもよきなり

・雪晴れの畑に並びて笠地蔵と大根立つを遠目に拝す(中世古悦子)
・雪晴れの畑に昨日の雪かむる大根笠の地蔵と拝す

・単線の列車のどけき音に行く石蕗の黄の冴ゆる午後なり(井口慎子)
・単線の列車のどけき音のみに石蕗の黄の冴ゆる午後なり

・年明けに宅神祭の太鼓打つ禰宜背を丸めつつ我が家訪ふ(後藤まゆみ)
・年明けに宅神祭の太鼓打つ禰宜背を丸め我が家を訪ふ

・雪の粒ひとつひとつを美しと学生服の子供のかたる(山本浩子)
・雪の粒ひとつひとつを美しと学生服の袖に子のいふ

・斑雪残る小庭に夕月の松の緑を和らぎつつむ(中川りゅう)
・斑せる野辺の小庭に夕月の松の緑も和らぐと見ゆ

・ゆかしさと熱情の弓音たゆたひのはて天翔るエンディングへと(中城さとこ)
・ヴァイオリン弓音たゆたふ熱情のはてひそかなり曲の終りは

・雪道も遊び場だった幼き日兄のあと追ふ初夢をみる(中村智恵子)
・雪道も遊び場にして幼きは兄のあと追ふ初夢をみつ

・一人とて仲間ゐるとて足技にサッカーボール子らに親しき(青山玲子)
・一人ゐて仲間つながる足技にサッカーボール子らに親しき

・山茶花の切り落されし蕾枝を夜のバケツに花火と咲かす(水本協一)

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